卒業設計で考えたこと。そしていま2

「卒業設計で考えたこと」の続編であるが私は2しか読んでいない。内容は現在の建築家達
高松伸ヨコミゾマコト曽我部昌史など)が卒業設計や修士設計で何をして、
そのとき何を考えていたかをインタビュー形式で問うものである。
現在は学生設計でもCAD化され、図面の枚数や表現ではその善し悪しが見えにくくなっていることが
当時との一番大きな違いであろうか。(故に模型は巨大化している)
昔もそうだったのかと思った内容として、お手伝い制度が存在していた事である。
昔といっても10年〜20年前だが、(この本の中では佐々木睦朗さんで40年くらい前か)
何となく先入観的に一人でやっていたんだと思っていた。
しかし考えてみれば当然で、手描きで十数枚、何十枚も描かなければならなかった昔の方が、
インキングなどで作業は手間がかかるハズである。
と考えるとむしろCADが普及した現在、昔より出来る事が多いハズであり(時間的問題)
それか手伝いなどなくても十分ではないのだろうか。
本の中に伊東忠太の卒計であるカテドラルの立面図が載っているが圧巻である。
(当時はどういう作業環境、期間だったかは不明だが)
お手伝い制度というのは使うが利口、使わずは不器用かの様に捉えられているかもしれないが、
個人としてどうそれに解釈を与え、自分なりの納得を得るかという事くらいは考えた方が良い気がしている。
単純に慣習化されているからというのでは腑に落ちない。
全体的に今と少し違うなと思うのは都市的なスケールを扱う作品が少ないことであろうか。(未来都市的構想)
(違う意味で曽我部さんはすごいなぁ・・・)
アーキグラムスーパースタジオ磯崎新丹下健三などの影響をタイムリーに受けていない事に起因すると思うが
今もう一度未来都市というものを考察した作品が出てきても面白いと感じる。
高度に情報化されPCの普及した今だからこそリアリティのある未来都市の提案が出来るのではないだろうか。